地上最速の速さを誇るチーター。
その速さは走り始めてから2秒で時速72kmにも達し、最大でなんと時速100kmはゆうに超えます!!
まさにチーターは、『サバンナの超特急』の異名にふさわしい動物なのです。
時速100kmの秘訣とは?
そんなチーターの体は、まさに走ることだけを考えた体をしている、といっても過言ではありません。
一目で見てわかるスリムな頭や胴体、そして四肢。 身体は美しい流線形を描き、風の抵抗を減らしています。
これぞネコ!って感じですね。
そして、長いしっぽも特徴的です。 動物にとってしっぽというのは意外にも大事で、主に体のバランスを取るのに役立てています。
チーターはその長いしっぽを左右にブンブン振ることで、獲物の急な方向転換にも対応できるのです。
しっぽを使ってバランスをとるチーター
しっぽを一番役立てているのはチーターかも?しれませんね。
爪もほかのネコ科とは違った構造をしています。
多くのネコ科動物は、爪が自由に出し入れできます。 爪を出していると、足音で獲物にバレやすくなっちゃいます。
隠れて狩りをするネコ科にとって、気付かれてしまってはおしまいです。
それに対してチーターは常に爪をだしっぱです。 後で詳しく説明しますが、チーターは基本的に隠れず、真正面から追いかけっこで獲物を捕まえます。
爪を出していると、それがスパイクのような役割を果し、地面へ力を伝えやすくなってより速く走れます。
ひたすら走って狩りをするチーターにとって、爪を出し入れできるよりも、常に出ている方が彼らにとっては得なのです。
何よりも特徴的なのが、柔らかい背骨です。 普通のネコ科よりも柔らかい背骨を使い、バネのように動かして加速するのです。 走るというよりは、横へジャンプを高速で繰り返しているようにも見えます。
このように、頭からしっぽにかけて全部走りに特化してます。 これも、ライバルが多いサバンナの中で生きていくためです。 他のネコ科と比べて、全く異なる進化をしていて面白いですね!
チーターは常に獲物を見据えて、頭は一定の高さを維持しています。
自慢の速さで狩りはラクチン!と思いきや・・・?
チーターの狩りの仕方は、もちろんその自慢の足を生かしたスピード勝負です。 上手くいけば、獲物に逃げる隙すら与えずに首へ噛みつき、窒息死させます。
実はこの狩りの仕方は、ネコ科の中でも珍しいやり方なんです。
多くのネコ科の動物の場合、獲物に気付かれずにギリギリまで接近し、そのあと一気にジャンプして獲物に襲い掛かります。
草食動物は意外にも足が速く、持久力もあります。それに対してネコ科の動物は持久力がないので、隠れながらの狩りをするのです。
そんな中、チーターは真正面から草食動物にかけっこで勝負します。 無論、いくら地上最速を誇るチーターといえど、持久力はありません。
せいぜい、全速力で走れるのが500m程度なので、その間に獲物を捕らえなくてはいけません。
500mもあれば確実に捕まえられるじゃん、と思う方もいるかもしれませんが、草食動物もチーターほどではないにせよ足が速くて急な方向転換でチーターを振り放そうとします。なかなか簡単にはいきません。
さらにサバンナにはライオンやリカオン、ハイエナなどチーターのライバルが多いです。群れで行動する彼らには敵わず、捕まえた獲物を泣く泣く手放す時もしばしばあります。
レースカー並みの脚力をもってしても、意外にも狩りはなかなかうまく行かず、成功率は意外にも50%程度しかないのです(肉食獣の中では高い方)。
あとがき
ライバルが多く、過酷な環境でも生き延びるために独自の進化を成したチーター。
地上最速を生み出す流線形の体は美しいの一言に尽きますね。
チーターもまた毛皮目的や環境破壊などで個体数を減らしています。 ネコ科の中でも好きな動物なので、より絶滅してほしくないという思いが強いですね・・・。