両目の色が異なる「オッドアイ」。なんとも不思議で、神秘的で、素敵な瞳を持つ動物なのでしょうか。
一体なぜオッドアイが生まれるのでしょうか?そしてその希少さ故に気になっちゃうのが、オッドアイの値段。
今回の記事ではそれらを解説しつつ、オッドアイのネコについて紹介していきます!
オッドアイとは?
左右の目の色が異なる「オッドアイ」
そもそもオッドアイとは左右の目の色が異なる状態の動物のことを指します。別名「虹彩異色症」とも言って、実は病気の一種でもあるんです。
たとえばネコだと、左目が琥珀色、右目は空色というケースが多く、そういうネコを日本では「金目銀目」や「金銀妖瞳」とも呼ばれているそうです。
ネコだけではなく、私たち人間にもオッドアイになる可能性はあります。けど、左右の目の色が違う人なんて見たことないですよね?
そのくらいネコも人間も、オッドアイになる確率は非常に低く、その希少性ゆえに「幸福を呼ぶオッドアイ」とも呼ばれ、縁起の良いものとして扱われています。
その印象的な見た目から、漫画などの創作物の登場人物の特徴としてオッドアイが用いられることもよくありますね。
なぜオッドアイになるの?
双子でオッドアイの白猫
目の色は、「メラニン色素」(別名:メラノサイト)と呼ばれる色素細胞の量で決まります。
メラニン色素が少ないと青かったり、多いと黄色、その中間だと緑色になります。
ですが、極まれに片目だけメラニン色素の量が少ない時があります。このせいでオッドアイが生じることになります。
メラニン色素が少なくなる理由は、先天的には遺伝子異常によるものが大半です。
後天的には事故などで片目の神経だけ傷付いたり、病気などのケースがあるようです。
ところで、猫ではなく人間の話ですが、有名ミュージシャンのデヴィッド・ボウイさんは事故によって片目の瞳の神経が傷付いてしまい、目の色が変化してしまったそうです。
子猫の目の色はキトンブルーと呼ばれる青い目で、大人になるにつれて変化していくのですが、その際に片目だけ変色せずオッドアイになる場合もあります。
キトンブルーの子猫
ネコの目の色は変わるって知ってた?青や緑、中には金色や赤色も?!
ですが、先天的(生まれつき)のオッドアイが多く、後天的(怪我・事故など)でオッドアイになるのは極まれだそうです。
ところで、メラニン色素は目の色だけでなく、体毛や髪の毛、肌の色にも影響を与えています。
たとえば髪の毛のメラニン色素が多いと、私たち日本人のように黒髪になりますし、少ないと金髪になります。
今回の内容とはちょっとズレてくるので、詳しく知りたい方はコチラの記事を読んでくださいね!
オッドアイになる確率は?
見たことがない人がほとんどであろうオッドアイのネコですが、一体どのくらいの確率で生まれてくるのでしょう?
Syu Syu Cat Clinicという猫専門の病院のお医者さんが、過去の患者さん(ネコ)を調べたところ・・・
全1940匹中オッドアイはたったの6匹!!
確率にするとなんと0.3%。毎日何匹ものネコと接しているであろうお医者さんですら、6匹しか見たことがないとは・・・。
オッドアイのほとんどは白猫
ちなみに、面白いことに6匹いるオッドアイは全員白猫なんだそうです。
他の模様のネコでもオッドアイになる可能性はあるんですが、本当にレアなケースのみで白猫がほとんどです。
品種名で言うと、ターキッシュバン、ターキッシュアンゴラ、ジャパニーズボブテイルという3品種はオッドアイの確率が高いことが判明しています。
真っ白じゃなくても、三毛猫や黒ぶちなど、とにかく白い部分が多ければ多いほどオッドアイになりやすい傾向にあります。
明確な理由は判明していませんが、一説では白い猫はメラニン色素の生成が抑制されて、生成・抑制が安定しないためオッドアイになりやすいという可能性も考えられています。
希少さ故に不思議な点がたくさんあります。その不思議さ故にオッドアイはこんなにも魅力的に感じるのかもしれませんね・・・。
オッドアイの値段は?
全体の0.3%しか存在しないオッドアイのネコ、ぜひとも飼えるなら飼ってみたいですが、値段はいくらなのでしょうか?
やはり珍しい種類なのでとても高価・・・、と思いがちですが調べてみるとそうでもないようです。
オッドアイのネコを不気味に思う人も少なくないのか、ペット市場においてオッドアイの需要というのはそこまで高くありませんでした。
いくら珍しくても買う人がいなかったら安くせざるを得ないですよね?どうやらオッドアイも普通のネコも、価格に大きな差はないようです。
上品な毛並みが特徴のターキッシュアンゴラ
例えば美しい白猫として人気のターキッシュアンゴラの子供は30万円程度で、オッドアイのターキッシュアンゴラの値段も30万円より少し高いぐらいでした。
ジャパニーズボブテイルだと17万程度。同じ白猫でも値段に大きく差がありますね。
子猫は高額で取引されやすいですが、成猫ならもう少し安くなるでしょう。
意外とオッドアイは不人気?らしいので、飼いたい方は値段を気にする必要はあまりなさそうです。
左右の目の色が違うことに怖がる人もいるなんて予想外でした。私は素敵だと思うんですけどね、オッドアイ・・・。
美人薄命なオッドアイ・・・
メラニン色素は紫外線を防ぐための防衛システムとも呼べるもので、メラニン色素が少ない動物が日光を多く浴びると病気になりやすいことが研究により明らかにされています。
白猫が多いオッドアイもその例にもれず、日光に弱い体質を持っています。
他の品種よりも紫外線に晒されやすいので、皮膚ガンなどで死んでしまうことも多いそうです。
なので、オッドアイのネコを飼いたい人は体調管理にもこまめに気を配るようにした方がよさそうですね。
病弱でもあるオッドアイ
また、明確な原因は不明ですが、白猫でかつ片目が青いオッドアイのネコの約50%程度は聴覚に障害を持っています。
一説では遺伝子の異常が聴覚まで及び、コルチ器と呼ばれる感覚器官に異常をもたらすそうです。
また、青い目の方の耳に聴覚障害が起きやすいのが判明しています。片耳だけなのが不幸中の幸いというべきでしょうか・・・。
オッドアイのネコみんなが聴覚障害を持っているわけではないので、そこは安心してください。
ですが、ネコは聴覚に大きく頼って生きている動物です。
家の外はネコにとって危険で溢れています。片耳だけとは言え、聴覚障害を持っているのならなおさらです。
聴覚に障害があるなら、放し飼いにして外へ出すのはあまりオススメできません。なによりネコ自身のために室内飼いを強く勧めます。
神秘的で美しい印象を与えるオッドアイのネコですが、実は病弱という隠れた一面もあります。美人薄命とはまさにこのことを指すんではないでしょうか?
まとめ
魅力的な瞳を持つオッドアイについての紹介でした。
日本では金目銀目、タイではダイアモンドアイや、カオマニー(白い宝石の意)と呼ばれていて、いかにオッドアイの瞳が美麗であるかを物語っていますね!
いつか筆者もオッドアイのネコをお目にかかりたいものです。