イリオモテヤマネコは、その名の通り沖縄県の西表島(イリオモテジマ)のみに生息するヤマネコです。
発見されたのは1965年、つまり約50年前に発見されたばかりの新種となります!
20世紀に発見された哺乳類の数は非常に少なく、当時イリオモテヤマネコの発見は大きく取り上げられたそうです。
また、日本在来種のネコは「イリオモテヤマネコ」と対馬に生息する「ツシマヤマネコ」のみで、私たちが普段見かけるイエネコは実は「外来種」なのです。
このように、非常に貴重な存在のイリオモテヤマネコが今絶滅の危機に瀕しています。
その理由や、生態について今日は紹介します。
イエネコとの違いは?
外見上、イエネコとの大きな違いはないように見えます。
イエネコはヨーロッパのヤマネコ(ヨーロッパヤマネコ)に対して、イリオモテヤマネコはベンガルヤマネコに属する亜種です。
また、よく見ると胴体は長く、しっぽは太め、足が短いことがわかります。
一般的なイエネコ
上がイリオモテヤマネコで、下がイエネコです。
イエネコと比べると、ずんぐりむっくりなイリオモテヤマネコですが、どちらもかわいいですね!
イリオモテヤマネコはネコ科一のグルメ?
普通、ネコ科の動物はネズミやウサギなどの小型の哺乳類を主食としています。
しかし、西表島にはそういった動物はいないし、いたとしても西表島の面積では数が少なく、イリオモテヤマネコは生きていけません。
では、どうやって今まで西表島で生きているのか?
それは、イリオモテヤマネコの雑食性のおかげなのです。
西表島には、小型の哺乳類こそ少ないですが、多種多様の生物が生息しています。
イリオモテヤマネコはネコ科の中では非常に珍しく、爬虫類、両生類や虫など幅広い生物を食べています。 ここも、イエネコとの大きな違いですね。
そして西表島に天敵も存在しないので、頂点捕食者としてイリオモテヤマネコは暮らしています。
絶滅の危機?世界で数十頭しか存在していない・・・。
このようにネコ科でも稀有な特徴を持つイリオモテヤマネコですが、現在絶滅の危機に瀕しています。
現在50~100頭近くが生息してると推測されているイリオモテヤマネコは、絶滅危惧ⅠA類に属しています。
これは、近い内に絶滅する可能性がかなり高い種であることを示します。
主な原因は交通事故や観光開発による生息域の縮小が挙げられています。
他にもイエネコとの接触を通して、猫エイズ等の感染症も危惧されています。
そのため、西表島の竹富町では、ねこ飼育条例として家で飼っているネコの予防接種やマイクロチップの装着等を義務付けられています(竹富町のサイトに繋がります)。
他にも、西表野生生物保護センターにてイリオモテヤマネコの保護活動を行っています(西表野生生物保護センターのサイトに繋がります)。
イリオモテヤマネコの画像集